語学

漢検準一級に合格するための効率的方法

こんにちは、Koichiです。先月漢字能力検定を受験し、無事準1級に合格しました。勉強期間はひと月ほどでした。巷でいわれるほど難しい試験ではなく、しっかりと対策を立てて計画的に学習すれば合格は容易な試験だと感じました。
そこでこの記事では漢検準1級に受かるための効率的な学習方法を示したいと思います。

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まずは試験形式と傾向を把握しよう

漢字能力検定は10級から1級まで12種類の級で構成されています。10級から5級は小学生、4級・3級が中学生、準2級・2級が高校生を対象としています。今回紹介する準1級は1級とまとめて「大学・一般程度」を対象としたテストです。
級別の出題内容
対象とする漢字の数は
準1級 3000字種
1級  6000字種
となっており、1級は準1級の倍の漢字を学習することとなります。また、追加される3000字種も今日一般に用いられるものは少なく、準1級と1級はレベルが違う試験です。一方準1級の3000字種は2級までの2136字種も含まれており、新たに学習する感じは900字種程度で、その900字種もどこかで見たことのある漢字ばかりです。

例えば・・・
薬匙を用いて量を調える。
⑵同棲の允許もらう。
枕辺の書を片付ける。
⑷旬のをいただく。

下線部の読みが分からなかった人も、一度は目にしたことのある漢字だと思います。
答えはそれぞれヤクシ・インキョ・チンペン・フキです。

とはいえ、無勉で合格できるような試験ではありません。
ここ5回の平均合格率を見ても
合格率
受験者 合格者  合格率
H30第2回 4,779人 368人  7.7%
H30第1回 5,136人 326人  6.3%
H29第3回 4,945人 455人  9.2%
H29第2回 4,376人 988人  22.6%
H29第1回 4,793人 781人  16.3%

となっており、どれだけ簡単だったとしても20%前後の合格率となっています。

冒頭に述べた通り、私はこの試験に合格することが容易とさえ思っています。なぜならこの試験は出題範囲や形式がはっきりとしており、データも豊富にあるので、対策を立てやすいからです。
続いて、問題形式についてざっと見てみましょう。

準1級は全部で10の大問からなります。
1. 読み(30問〈音読み20問・訓読み20問〉) 30点
2. 表外読み(10問) 10点
3. 熟語の読み(10問) 10点
4. 共通の漢字(5問) 10点
5. 書き取り(20問) 40点
6. 誤字訂正(5問) 10点
7. 四字熟語(15問〈書き取り10問・読み5問〉) 30点
8. 対義語・類義語(10問) 20点
9. 故事・成語・諺(10問) 20点
10. 文章題(15問〈書き取り5問・読み10問〉) 20点

計200点 うち 書き130点 読み70点
合格点は160点です。

試験に向けての勉強はこの10種類の出題形式に合わせて行っていきます。
これをどのような順序でいつするかが攻略のカギとなっていきます。

これを明らかにするために参考になるのが受験者平均正解率合格者平均正解率です。ここで先月行われた平成30年度のデータを見てみましょう。
大問  合格者平均正解率  受験者平均正解率  合格者平均正解率と受験者平均正解率の差 (すべて概算)
1      90%        68%              22
2      90%        78%              12
3      90%        68%              22
4      55%        27%              28
5      90%        62%              28
6      65%        41%              24
7      90%        62%              28
8      88%        55%              33
9      83%        55%              28
10 76%        56%              20
4,5,7,8,9で大きな差がうまれていることが分かります。このように合格者平均正解率と受験者平均正解率の差が大きい大問を差がつく問題と考えると、これらの問題の攻略が合否を分ける可能性が高いと思われます。

大問4の共通の漢字は問題数も少なく、例年の正解率は合格者・受験者ともに低いため、時間を割く必要はあまりありません。
大問5に関しては最も配転が高く、漢字検定の勉強の主要そのため、継続的な勉強が求められるのは言うまでもありません。他の大問にも大いに関連するところなので、頑張りましょう。
大問6については数をこなすうちにできるようになるのですが、2級以下の漢字もよく出題されるので、勉強がやりにくいところです。ただ5問中3問は簡単なことが多いため、後程紹介する問題集で誤字の作られ方を知ると、よく得点できるようになるでしょう。

さて、大問7,8,9(四字熟語・対義語類義語・故事成語諺)ですが、ここがポイントとなります。具体的な対策については以下で紹介しましょう

大問7――四字熟語は満点が目指せる!!

あなたが漢検準1級の問題集を買って、実際に取り組んで一番難しいと感じるのは十中八九この大問7にあたる四字熟語でしょう。それもそのはずで、現在四字熟語を日常的に使うことはあまりなく、まして準1級の四字熟語に関しては初耳なものも多くあります。
ですので、四字熟語に関してはみなさん同じスタートラインで勉強を始めるといってもいいでしょう。その分、勉強した人が報われる大問でもあるのです。
出題の形式はまず10個の四字熟語が与えられており、それらの上か下半分が空欄になっています。そこに当てはまるものが語群にひらがなで示されているので、適切なものを選んで、漢字にして解答します。例えば

〈  〉桂花  意馬〈  〉
〈  〉斉駆  街談〈  〉
〈  〉遍野  河図〈  〉

語群
てんこう・かくはつ・らくしょ・しんえん・いっしょく・こうせつ
へいが・えんぼく・あいこう

といった形式です。
このような形式で出題されるため、問題集でも上半分、もしくは下半分が空いている形式で出題されています。
しかし、学習の目的は四字熟語を覚えることであり、その目標に穴埋め形式はあまり有効とは言えません。
可能であれば、4文字ともひらがなで書いてあり、それを漢字に直す勉強が良いでしょう。それができるようになれば、上抜きでも下抜きでも対応できるのですから。

このように二段組で作りました。

漢検準1級に出題される四字熟語は旺文社『分野別漢検出る順問題集』の付録に列挙されていた「覚えておきたい四字熟語」から採集しました。
この自作のリストを極めれば、語群を見ずとも空欄を埋めれるようになります。

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大問8――対義語類義語は質より量!!

大問8の対義語と類義語は質より量、解いた量が点数に直結します。
問題集一冊では足りないので、ネット上で有志が作った問題もフル活用してとにかく問題量をこなしましょう。

気を付けてほしいのが、そもそも意味が分からない熟語です。見たこともない熟語が大問8で出題された場合は必ず辞書で語義を確認しましょう。

例えば
腹心 = 股肱
医者 = 杏林
首魁 = 領袖
峻険 ⇔ 坦夷
払暁 ⇔ 黄昏
といったものは、そもそも知らない熟語である可能性が高く、要注意です。

大問8の学習はそのまま他の大問の学習にもなりますから、短期集中は避けるべきです。毎日の学習に取り入れると良いでしょう。
慣れれば安定して高得点が目指せる大問ですので、しっかりとやっていきましょう。

大問9――故事・成語・諺は意味を理解して記憶しよう

大問9の故事・成語・諺は大問7の四字熟語に並び、初見では全く解けない大問と言えるでしょう。配点も高くない(四字熟語は30点に対し大問9は20点)ものの決して無視できるものでもなく、意外と厄介な大問です。

注意しておきたいことは以下の3点

1. 試験直前期に取り組むのがおすすめだが、四字熟語を優先的に学習する
2. 普通の問題でも出題されることがある
3. 意味の分からないものは必ず意味と由来を調べる

1について、試験直前で間に合いそうにないときは四字熟語を優先させてください。大問9に関しては購入した問題集で出題されている故事・成語・諺を完璧にするだけでよいでしょう。出題されるものをすべて記憶するのは費用対効果が悪いです。

2について、大問9で出題される故事・成語・諺はたまに大問1の読みや大問5の書き取りでも出てきます。大問9を直前期に詰め込むことは、大問1,5の詰めにもなりますので、そこでモチベーションを保ちたいところです、

3について、故事・成語・諺は「意味するところのもの」が必ずあります。まずはそれを理解しましょう。
例えば

サイシンの憂え有りて朝に造る能わず

答えは 採薪 です。
この故事は「孟子」から採られたもので、薪を取りにいけないということから、病身であることを示唆しています。そして「朝」は朝廷のことを示します。つまりこの故事は「病身であるが故、朝廷に参上できないこと」を婉曲的に言ったものなのです。
このことを知っていれば、この故事を覚えるのはずっと楽になります。面倒かもしれないけれど、由来を知っておくことは結果的に早く記憶することにつながります。

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おわりに――漢検準1級をおススメするワケ

いかがだったでしょうか。漢検準1級は決して難しい試験ではありません。やったことがそのまま得点に素直に反映されるやりがいのある試験です
私は漢字を学びなおしたい大人の方に2級(常用漢字すべてが試験範囲)を勧めません。2級の漢字が分からなかったとしても準1級を勧めます。
理由は3つ

1. 漢字のための漢字学習はつまらないから
→準1級の漢字は単に漢字のための漢字学習を超えます。例えば以下の問題があります。

ジョウと姥

答えは「尉」です。「大尉」のような軍の階級に用いられる漢字としてみたことがあると思います。ではこの問題から得られる知識は「尉」という漢字だけでしょうか?そもそも「尉と姥」って一体何なのでしょうか?

 

尉と姥
能の衣装をつけた老夫婦が、熊手とほうきで松の落ち葉をかき寄せる姿。人形・絵画・彫刻などにされ、婚礼・ひな祭りなどの祝いに用いられる。謡曲の「高砂」に基づく

コトバンクより引用

「尉」という漢字の知識のみならず、画材として多用される主題の知識をも得ることが出来ました。これが準1級の魅力です。
2級以下ではこのような知的関心を喚起するような場面はあまりありません。しかし準1級の例文や熟語は教養へとつながるものがたくさんあります。まさに準1級の学習は大人の学習にふさわしいといえるでしょう。

2. 一歩先の漢字力
→漢検2級を持っていることが示す能力は何でしょうか。それは「常用漢字を知っている」ということです。
どうでしょうか、魅力的ですか?実のところ2級の試験も簡単ではありません。合格率も20%台。部首といった知識も要求されます。準1級と同じように、無勉では受かりにくい試験です。
そのような試験に受かって認められる能力は「常用漢字を知っている」・・・パンチが弱すぎやしませんか?
どうせ漢字の勉強をするなら一歩先、準1級を持っている方がインパクトがあります。

3. 合格特典がある
→漢検準1級に合格した暁には、他の級と同様に表彰状と合格証明書が受け取れます。しかし準1級と1級はそれだけではありません。
漢検生涯学習ネットワーク」への入会ができます(入会費タダ)。

 

① 生涯学習ネットワーク会員通信の無料購読(年3回程度発行) 
② 協会機関誌『漢検ジャーナル』の無料購読(年3回程度発行)
③ 会員向け漢字・漢字文化に関する生涯学習セミナーの参加(一部有料の場合有り) 
④ 漢検漢字教育サポーター育成講座の受講(有料。定員に達した場合受付終了)
⑤ 会員向けメールマガジンサービス(年数回/登録時に希望した方のみ)

日本漢字能力検定協会HPより抜粋

以上のような特典はしょぼいと言えばしょぼいかもしれませんが、漢字学習のリソースが定期的にやってくることのメリットは大きいと思います。2級に受かったら受かりっぱなし、もう一度やろう!と思わないと次の目標はやってきません。しかし準1級に受かれば、日常生活で漢字学習へのアンテナを立てていなくても、定期的にアンテナを立てることになります。そしてコンテンツを読むことになります。もしかすると1級受験へと目標が向くかもしれません。そうでなくとも文化レベルが上昇することは間違えないでしょう。

是非漢字検定準1級を受けて漢字文化教養への端緒を開きましょう。

参考書はこれを使いました

あまり長々と紹介しません。この記事のやり方に沿って以下の問題集をこなせば、おのずと合格に近づいていきます。

旺文社『分野別漢検出る順問題集 準一級』
→これを極めましょう

成美堂出版『本試験型 漢字検定試験問題集 準1級』
→18回分の本試験形式問題を収録した本。折に触れてやってみましょう。「対義語・類義語」の経験をさらに積むことが出来ます。旺文社の問題集にない「四字熟語」・「故事・成語・諺」も収集しておくとさらに盤石な漢字力が期待できます。

ABOUT ME
Koichi
2018年9月 同志社大学文学部卒 2016年8月~2017年5月 An-Najah National University (Palestine)留学 日本語・アラビア語・英語でコンタクト可 プロフィール写真はイェルサレムにあるダビデの塔 ご連絡は knikaido0814@gmail.com

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