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【超えられない壁】SIerとWEB系の違いをエンジニア目線で解説します

僕
今回は、SIerとWEB系の違いを解説してみました。不特定多数の方に届ける記事なので、なるべくフェアに書こうとしました。

まず、前提として。人には合っている環境があります。例えば、「SIer企業の方が働きやすい」という方も間違いなく一定数いらっしゃいますし、逆も然りです。

僕はWEB系の自社開発企業で開発をやるのが好きです。ですが、絶対に僕らの環境(変化を好む、ベンチャー肌)が好きではない方もいらっしゃいます。例えばですが、女性エンジニアがこの環境に入ってくるのは、少しキツイですよね。むしろSIerの方が働きやすいケースもあるはずです。

こんな感じで、なるべくフェアに書きつつ、「SIerにも闇があるよ〜」という話や「WEB系も大変な時はほんと大変だよ〜」と言ったデメリットについても書いていきたいです。

✔︎ 僕のこれまでの経歴

・新卒5ヶ月で環境が合わなくて大企業を辞める
・バイトでWordPressを使ったウェブ制作
・独立系SIerに転職(受託開発でWEB系のプロジェクトの実装〜詳細設計)
・フリーランスに転向(国内有数のフード系メディアのWEBエンジニア)

なので、一応、SIerおよびWEB系の違いについては、自分で感じた経験と、会社の人から聞いたことも織り交ぜて話していきたいです。

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SIerとは何か

僕
SIerとは「システムインテグレータ(System Integrator)」のことを指します。有名なグローバル企業だと、Accenture(アクセンチュア)はSIerですし、国内だと野村総合研究所、大塚商会やNTTデータあたりが有名ですね

上記の様な企業が有名SIerです。結構、コンサル的なイメージがついていますよね。それもそのはず。SIerは、「プログラムを実際に作り出して価値を提供する」仕事ではなく、「顧客の問題解決のために、ITを導入してあげる」ことで価値を発揮します。

 SIerさんの仕事をA社を例にみてみる

「 (戦略として)ITを導入したい!」例えば、A社が事務作業の削減によって間接費用を減らしたい!という要望が合ったとしましょう。

ITの導入費用1億円に対して、人件費の削減効果によって、2年後に1億円がチャラになって帰ってきて、3年後に5,000万円黒字になるという戦略があるとしましょう。おそらく、経営者ならITを導入したいはずです。

だけど、A社は会計・監査を主に扱うため、自社でITを導入できません。そこで、SIerに仕事をお願いします。

顧客が実際に実現したいこと(=事務作業の無人化)を「RPAもしくはAI(機械学習)」によって、予算1億円で実現できますよ!と「IT化のための方法と手段」を提示してあげます。(上記)これがSIerの仕事です。

 SIerさんがどうやって仕事をするのか

基本的に、「ウォーターフォール」方式と言って、「要件定義・設計」をしてから「開発」に着手。そして、各種要件を満たせているのかをテストで紐解いていくのが仕事のやり方です。

✔︎ SIerさんの仕事のやり方

  1. 要件定義(何を実装すべきかをクライアントとすり合わせる)
  2. 基本設計(実際の処理・業務フローをすり合わせる)
  3. 詳細設計(実際に動作するプログラムの振る舞いを定義する)
  4. 開発(設計書をもとにプログラムとして書き下す)
  5. 単体テスト(詳細設計で定義した振る舞い通りになったかを検証)
  6. 結合テスト(実際の処理・業務フロー通りになったかを検証)
  7. 受入テスト(定義した要件通りになっているかを顧客へ導入し検証)

ウォーターフォールのV字という有名なモデルです

なぜ、ここまで面倒なステップを踏まないといけないかというと、SIerさんは「システムをお客さんのために作ってあげる」ポジションだからです。

そのため、「要件定義」「基本設計」フェーズでは、お客さんからのレビュー・フィードバック(外部仕様)をもらい、それからは詳細設計(内部仕様)を作成し、開発してできたシステムが、設計通り(=定義した仕様通りか)を検証していく必要があります。

✔︎ SIerさんのウォーターフォール型開発のメリット

  1. 大規模なシステム開発において、顧客との意見の食い違いを小さくできる
  2. 開発エンジニアが多数(10名以上)の規模でも、ディレクションがしやすい
  3. 設計・要件を固める上流工程だけが正であるため、開発部門を外注しやすい
  4. 大きな予算がつくプロジェクトで、ステップごとに資金回収しやすい
  5. 設計工数を肥大化させることで、安全に仕事を進められる

✔︎ SIerさんのウォーターフォール型開発のデメリット

  1. 予想外のシナリオが起きたときに、下流工程の納期がずっと伸びてしまう
  2. 顧客意見を「要件定義」「基本設計」だけでしか受けられない
  3. 各ステップを全く別の企業や個人が行うことで、完成形が全くクライアントの思ったものにならないことが往々にしてある
  4. 開発部分がブラックボックス化し、自分たちでメンテができなくなる(自社開発ではないからこそ、これが正当化される。「作って終わり」)
  5. 新規技術が導入しづらい。「枯れた技術」としてJavaばかりなど。
  6. 全てが予測可能ではないと上手く回らない
僕
こうして、「いかに自分が開発から手を離すか」というSIerさん独自の文化ができました。なぜなら、開発を受託することで、「要件」や「設計」が当初のすり合わせと上手く行くプロジェクトは稀だからです。理想のシステムは絶対にできず、上手く折り合いをつけていく必要があります。いつもいつも、しわ寄せが「開発」〜「テスト」段階のエンジニアにいくことになります

そのため、SIerさんがオススメできる人・できない人は下記の様になります。

✔︎ SIerさんがオススメな人

・上流工程で顧客の悩みをどんどん実現したい!
・だけど、IT技術は(ぶっちゃけ)どうでもいい。あくまで手段。
・コンサル・ディレクション的な立ち回りで動きたい
・仕事は仕事。フレキシブルさ・自由さよりもビジネスドメインを重視したい

✔︎ SIerさんがオススメできない人

・開発がしたい!
・新しいIT技術が好きだ!技術は目的になり得る!

・テストを担当する(予定の)人
・自分でアプリやサービスを作ってみたい
・自由でフレキシブルな環境で働きたい

上流工程に行きたい!マネジメントをどんどんやってみたい!みたいな方はSIerさんがオススメです。例えば、後々にコンサル系のポジションに行きたい方とかですね。ただ、自分が開発するとなると割と地獄ですので、基本は開発エンジニア志望の方はWEB系かつ自社開発の企業がいいでしょう。

一方で、純粋に新しいIT技術が好きで、アプリやサービスに携わりたい方、自由でフレキシブルな環境で働きたい方は、WEB系自社開発企業or独立系WEB受託企業に行くといいですね。

WEB系とは何か

WEB系と言ってもこれまためちゃくちゃ広いと思います。SIerさんでは、あえて「組み込み系」の分野は飛ばしたのですが、SIerさんの領域も膨大ですし、WEB系の分野も膨大です。

ただ、乱暴にもWEB系をかなりざっくり分けると2種類あると思っています。WEB系の受託開発企業さんとWEB系の自社開発企業さんですね。

WEB系での受託開発は、特に「独立系SIer」とも被っている領域ですし、広義ではウェブ制作(サイトデザインやUI/UX開発)も入ってくると思います。少し簡単にその2つを解説してみます。

WEB系(受託開発)とは何か

基本的にはSIerさんと大きく変わりません。

SIerさんが、銀行の勘定系システムや政府系システムなど大規模かつ、組み込む系ソフトウェアや機械系を担当するのと同様に、WEB系のSIerさんと言っても差し支えないと思います。

✔︎ WEB系(受託開発)の職務領域

  1. 他社システムの新規開発(ここがいわゆる受託のメイン)
  2. 他社システムの改修・機能追加
  3. 他社の組み込み系システムの新規開発・改修
  4. ウェブデザイン〜マークアップ(サイト作成からデザイン)
  5. 他社システムの保守・運用

かなりざっくり分けると、上記の5つでほとんど全てではないかと思います。そして、ウェブ系のエンジニアの種類としては、大別して下記があります。

✔︎ ウェブ系エンジニアの種類

  1. インフラエンジニア(クラウドエンジニア)
  2. バックエンドエンジニア(データベースエンジニア)
  3. フロントエンドエンジニア
  4. AIエンジニア(AIコンサルタント)
  5. マークアップエンジニア(フロントエンドエンジニア)

WEB系(受託開発)ってどんな仕事をするの?

これについては千差万別です。

例えば、カーナビに搭載する地図情報システムを作るプロジェクトから、病院で新規で利用したい予約システムを開発するもの、新規でスマホアプリを作るプロジェクトまで幅広いです。

ただ、WEB系(受託開発)とSIerに共通しているのは、「B2B」のクライアントビジネスであるという点です。

FANG(Facebook, Amazon, NetFlix, Google)が、主に「B2C」つまり企業ではなく、個人から収益を得ているのに対して、WEB系の受託開発は、発注してくれる企業ありきのビジネスになります。

開発手法としては、まだウォーターフォールの企業が多いです。まれに機動力を取るためにアジャイル・スクラム開発を行う会社もありますが、これは全体から見たらかなり少数だと思われます。

SIerよりも少しだけオープンですが、いわゆる「ブラックなIT」のイメージがおおよそ当てはまるのが、一般的な受託開発の企業群です。(実際に手を動かすエンジニアであれば、SIerも割とブラックでしょう)

✔︎ WEB系受託開発のメリット

  1. 新しい技術を試すことができる
  2. 早いうちから、マネジメント経験を積むことができる
  3. 未経験でも就職しやすい
  4. 会社によるが、ある程度オープンな雰囲気で開発ができる
  5. 場所によってはエンジニア(戦力)だからこそ貢献できることが多い

✔︎ WEB系受託開発のデメリット

  1. 足りない人数を少数でなんとかカバーしようとして、ブラック労働になりがち
  2. 離職率が高く、技術力を持ったエンジニアが定着しない
  3. 比較的パワハラ系の企業が多い(顧客が一番のため、その無茶な要望に答えようとする結果、上層部がキチガイ化・パワハラ化しやすい)

SIerと比べた受託開発は、「結構自由に裁量を持って働ける様になったけど、その分責任が大きい」という感じだと思います。

こちらも、ぶっちゃけ手を動かしたいエンジニアにとってはとてもしんどい環境です。それを「成長できる環境」と捉えるかどうかは、エンジニアのフェーズによりけりでしょう。(ちなみに僕は未経験で就職して、とてもしんどい思いをしました)

✔︎ その頃の記事はこちら

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WEB系(自社開発)とは何か

WEB系の自社開発とは、これまで紹介してきたSIer・WEB系受託とは全く異なる企業群です。

WEB系(自社開発)企業とは何かといえば、「自社内で事業として収益を上げるウェブサービスの立ち上げ〜運用までを一括で行うことができている企業」のことを指すと考えます。

ちなみに、まれに「受託開発として受けた仕事のことを会社で開発すること」を「自社内開発」略して「自社開発」などといっている会社があったりします。それくらい、受託か自社かは、天と地の差があるということです。

✔︎ 簡単にまとめるとこちら

  1. 自社で事業として収益を上げるウェブサービスがあり、立ち上げ〜運用までを一通り自社で完結できる(一部は外注もあり)
  2. 例えば、Facebook、Twitter、Google(検索、広告配信、クラウド)など

いわゆるITエンジニアとしては、もちろん自社開発を目指すべきだという話なのですが、理由としては下記があります。

✔︎ 自社開発企業のメリット

  1. 全体的なエンジニアのレベルが高い(フルスタックであることが求められる)
  2. かなり実践的にプログラミング技術を試すことができる(必要があればオープンソースだろうが何でも検討できる)
  3. クライアントに縛られる割合が少なく、プロダクトのオーナーシップを持ちやすい(モチベーションの高い人が多い)
  4. 働き方が圧倒的にフレキシブル(リモートワーク、リモート会議、就労時間)

✔︎ 自社開発企業のデメリット

  1. 未経験よりも中途採用がメイン(即戦力である必要あり)
  2. 周囲のエンジニア・チームメンバーも常に自己研鑽しているのでキャッチアップが必要な場合はかなりタフ(と言っても1-2ヶ月ほど)
  3. ただ言われた仕様に沿ったプログラムを作る以上に、グロース面やサービスの安定稼働、デザイン、UI・UXなどの知識があるエンジニアもいる(何かエッジが立っているとなおよし。だけど、仕事では求められる)
  4. 自由な分、ある程度の責任はある(サービス全体に対して責任を負うため、常に全体に対してメンテしていく必要がある。1回作って終わりではなく、基本は運用・機能追加がメイン)

上記の感じですね。手を動かすエンジニアなら、一度は絶対に経験しておくべき環境だと思います。

また、SIerやWEB系受託開発のプロダクトオウナー(実質的にはクライアント側だが)やプロジェクトマネジャーと違って、実際に何らかの問題意識や、必要性からウェブサービスを作っているリーダー職の方も多く、彼らと円滑に仕事ができると、ドンドンサービスが大きくなる瞬間に貢献できるのがやりがいです。

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まとめ:手を動かすエンジニアなら、WEB系(自社開発)を目指しませんか?

✔︎結論

  1. 手を動かすエンジニアなら、WEB系自社開発>>WEB系受託>>SIer
  2. マネジメント・ディレクション志望なら、WEB系受託≒SIer>>> WEB系受託
  3. ワークライフバランスなら、WEB系自社開発>>SIer>>>WEB系受託
  4. 大企業でのモテ度なら、SIer>>>WEB系自社開発>>>>>WEB系受託

上記の感じです。トータルで見た時に、ガツガツエンジニアをやりたいならWEB系自社開発で、マネジメント・ディレクション側の志向ならWEB系受託orSIerという感じでまずは問題ないかと思います。

で、そのあたりの適性やキャリア特性については、実際にIT企業特化の転職エージェントさんに一度面談にいくといいですよ。

これまで数多くの方のキャリア事例を熟知している方も多く、それにこれからWEB系自社開発に行けるのか?大手SIerに行けるのか?なども実際に相談できますし、年収アップ事例も数多くあるので、まずは無料会員登録から、面談にいくといいですよ。

僕自身、最終的にはフリーランスになったのですが、数多くの企業さんの事例や、僕がどのくらいのレベル感なのかを客観的に捉えられる様になったきっかけだったかなと思ってます。

 

ABOUT ME
クスハラ
立命館大卒('18)後に新日本有限責任監査法人(EY新日本) ドメスティックな職場で全くキャリアが読めずに5ヶ月で退職。 後にアマゾンせどりで生計を立て、空いた時間で勉強しエンジニア転職。 その後、実務経験7ヶ月でフリーランスエンジニアとして独立・開業。 在学中にアメリカ留学の経験があり、TOEIC960点(大学3年時)。 ...結局、少し社会不適合な人だと思いますw ■連絡先 shogo.kusuhara[あっと]gmail.com
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